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①成人式とは
そもそも成人式はいつから始まり、どんな由来があるのでしょうか。
ここでは成人式の由来や歴史をご紹介します!
◇由来は奈良時代以降の「元服」の儀式
成人式は奈良時代以降、数え年で12〜16歳の男子が行った「元服(げんぷく)」という儀式が由来とされています。この儀式では髪を大人の髪型に結い、服装も大人の装いに改め、幼名から新しい名前に替えたりしたそうです
女子の場合は、「裳(も)」という腰から下にまとう衣服を身につける儀式「裳着(もぎ)」を12〜16歳で執り行いました。同時に髪を結い上げる髪上げも行われ、子供の髪型から大人の髪型へと変え成長をお祝いしたそうです。
◇成人式のルーツ
20歳で成人式が行われるようになったのは、戦後のことです。その発祥は埼玉県の蕨市で開催された「青年祭」と言われています。当時は国全体が戦争の影響であまり良い雰囲気ではない中、蕨野青年団が中心となり、次世代を担う若者たちを勇気づけて励まそうと青年祭を企画しました。その催しの幕開けとして開かれたのが「成年式」でした。全国に先駆けて行われたこの催しは国や県からも関心が寄せられ、昭和24年(1949年)に国民の祝日として「成人の日」が制定され、全国各地で新成人をお祝いする風潮が広まりました。
◇世界の成人式
社会的に大人として認められる日である成人式は世界共通ですが、その儀式は国や地域によってかなり違いがあります。
バヌアツ共和国のペンテコスト島に古くから伝わる儀式の一つで、バンジージャンプをするそうです。日本のアトラクションのバンジージャンプとは違い、ヤムイモというバヌアツ共和国の主菜のツルを足に巻きつけて30メートルほどの木のやぐらから飛び降ります。またルールがあり、守れないと次の一年も未成年で過ごさなければならないそうです…
韓国は5月の第三月曜日を「成年の日(ソンニョネナル)」に制定しています。祝日ではなく、式典が行われることもありません。新成人はこの日を、友達や恋人など大切な人と過ごすことが多いようで、カップルは男性から女性へ花などのプレゼントを渡すのも一般的のようです。
②成人式当日の流れ
成人式は一生に一度の大人への第一歩となる記念の式典です。ここでは一般的な成人式当日の流れをご紹介します。
◇成人式当日の1日
1,身支度
成人式当日は長い1日になるので、前日は早めに就寝をするようにしましょう。
その後、美容室へ移動してヘアメイク・着付けをしてもらいましょう。
2,会場へ移動
車の乗る時も振袖にしわがついてしまわないように、気をつけて乗り込むようにしましょう。
車の乗り方、お手洗いの行き方、座り方で振袖着用時に注意するポイントがあります。お店のスタッフから説明がありますので当日は意識するようにしましょう。
式典約30分前から受付が始まりますので余裕を持って会場に向かうようにしましょう。
3,式典スタート
式典は1時間〜2時間です。実行委員の開会宣言から、各自治体の議員や首長、恩師の方々のお祝いの言葉、成人の誓いなどが行われます。
4,式典終了
式典終了後は お友達と写真撮影をしたり、同窓会に参加したりして楽しい時間を過ごしてくださいね。
③成人式で振袖を着る理由
成人式の正装は一般的に振袖とされています。なぜ、振袖を着るのかについてご紹介します。
◇未婚女性の第一礼装が振袖だから
着物には様々な種類がありますが、振袖は未婚女性が身につける最も格式の高い第一礼装です。袖が長い振袖は普段の生活には向いておらず、一生に一度の大切な節目の日に着用するのにふさわしいのです。
◇厄を払って幸せになれるように
日本では、「振る」という動作は魔を払うという意味が込められています。袖の長い振袖を着ることで身を清め、病気や厄に憑かれることなく幸せな人生を歩んでほしいという願いが込められています。
◇大人への第一歩を自覚する
冠婚葬祭とは日本の4大儀式になり、“冠”にあたるのが成人の日です。そんな人生の節目の日に振袖を着用し、ヘアメイクもしていつもと違う姿で成人を祝うことで大人になったことの自覚をするきっかけとなります。
〈まとめ〉長い歴史のある日本の文化である「成人式」
「成人式」には長い歴史の中で、成年を祝う大切な儀式として定着しています。
成人式に振袖を着るのは見た目が華やかなのももちろん、大人になるということを自覚するという大切な意味も込められています。
大人への素敵な第一歩となる大切な日に、お友達と素敵な思い出を作ると共に、日々支えてくれている周りの方々への感謝を伝える良い機会になるのではないでしょうか。
成人式のことをより深く知ってもらうことで、振袖選びの時などに参考にしてもらえればと思います♪
※今回紹介した歴史やルーツ等は諸説あります。
参考:イヴ・ブゴン(2006)『きものの基本』アシェット婦人画報社