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振袖の柄を知る〜古典柄編〜

振袖の柄にもたくさんの種類があります。
振袖選びの際には、色だけでなく柄も見て選ぶ方がほとんどではないでしょうか。
同じ色の振袖でも柄やその配置の仕方で印象はガラリと変わります。

今回はそんな振袖の柄の中でも、王道であり上品な印象の「古典柄」についてその柄に込められた意味などをご紹介します。

古典柄とは?

古典柄とは、古くから日本に伝わる伝統的な柄で、時代に左右されることがない柄です。

また一部は中国から伝わったとされています。

魔除けや厄除け、無病息災を祈願する思いも込められた縁起の良い柄でもあります。

古典柄の種類

古典柄には様々な種類の柄があり、一つ一つに意味が込められています。

ここでは有職文様、吉祥文様、花柄、生物柄の4つをご紹介します。

有職文様

有職文様は中国から伝わり、平安時代から近代まで装束調度に用いられた格式高い織物の文様です。

有職文様を代表するものには、「花菱」・「七宝文」・「亀甲文」などがあります。

・花菱(はなびし)

ひし形の模様の中に花びらが4枚描かれた文様です。

平安時代から一部の人しか使うことを許されなかったので、高貴や上品という意味があります。

・七宝文(しっぽうもん)

同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねて描かれた文様です。

「金、銀、水晶、瑠璃、瑪瑙(めのう)、珊瑚、しゃこ」も7つの宝を意味しています。

・亀甲文(きっこうもん)

正六角形を上下左右につないで描かれた文様です。

長寿の象徴である亀の甲羅に由来していることから、長寿を意味しています。

吉祥文様(きっしょうもんよう)

吉祥文様とは縁起が良く、めでたいとされる文様です。

中国の文化を影響を受けたものや、日本の伝統の縁起物に由来した柄や模様があります。

吉祥文様には主に「松竹梅」・「宝尽くし」・「鶴」・「貝桶」・「御所車」・「熨斗」・「扇」・「鞠」などがあります。

・松竹梅(しょうちくばい)

その名の通り松、竹、梅であり、室町時代から伝わっています。

厳しい冬の寒さの中でもでも緑を絶やさない「松」、天に向かい寒さに負けることなく真っ直ぐ伸びる「竹」、冬を終え、春に真っ先に綺麗な花を咲かせる「梅」の3つ意味を持っています。

・宝尽くし(たからづくし)

色々な宝物を並べた縁起の良い文様です。福を招くなどと言われています。

・鶴(つる)

“鶴は千年”という言葉があるように長寿や生命力の強さを表す意味を持っています。

鶴のすらっとした姿や空を悠々と飛ぶ姿は凛とした美しさ、上品さがあります。

・貝桶(かいおけ)

平安時代から伝わる「貝合わせ」という宮中遊びで使う道具であり、筒状の箱の中に貝が入っています。二枚で一組になっている貝は夫婦円満の意味を持っており、貝桶自体も縁起が良いものとされています。

・御所車(ごしょぐるま)

貴族が平安時代に乗っていた牛車を指します。平安文化を象徴するような高貴な印象を与えてくれます。また、御所車にたくさんの花を乗せた「花車」と呼ばれる柄もあります。

・熨斗(のし)

お祝いの品などに添える飾りを熨斗と呼びます。神様へのお供物である「熨斗鮑(のしあわび)」が由来となっています。長寿を象徴する縁起の良いものであり、細長い帯状になっているこの文様は振袖全体の華やかさを引き立ててくれます。

・扇(おうぎ)

扇はその広がった形から古来より「末広がり」を表す縁起物です。末広がりに運が良くなる、明るい未来を迎えられますようにという意味を持っています。扇自体にも柄が描かれていることが多く、振袖にとても映える柄と言えます。

・鞠(まり)

鞠は女の子の遊び道具であったことから、可愛らしさ、女性らしさの意味を持っています。

古来より、ある地方では女の子が生まれると鞠を魔除けとして贈る習慣があるなど、子供の幸せを願う親の願いが込められています。

植物文様

花の柄は女性らしい華やかさを演出し、古典柄の中でも定番であり人気の柄であるといえます。種類もいくつかあり、花によって可愛らしくも上品な印象にもなります。

・桜

日本の国家である桜は日本を象徴する花です。成人式の時期ではない春に咲く花ですが、毎年美しく咲き誇ることから華やかさや繁栄の意味を持っています。

・菊

古くから邪気を払う縁起の良い花とされている菊は、無病息災・長寿の意味を持ちます。また、皇室の御紋にも使われており、大変高貴な花です。

ぷっくりと丸い万寿菊、大胆に描かれている乱菊で表現の幅が広く可愛らしくもシックな印象もありほとんどの振袖に入っていると言われています。

・牡丹

牡丹は美しい大輪の花を咲かせることから「百花の王」と呼ばれています。大きく大胆に描かれていることが多く、かっこいい印象となります。

小さな蕾から大きな花を咲かせることから「豪華絢爛」、「高貴」、「幸福」の意味を持ちます。

・椿

寒い冬に咲く花である椿は、その美しさと樹齢の長さから古来より縁起の良い花とされてきました。「春」という字から分かるように春を告げる椿は「明るい未来」の意味を持ちます。シンプルなデザインですので、清楚でおしとやかな印象となります。

生物文様

縁起が良いとされている鳥などの生き物をモチーフにした柄もいくつかあります。

・鳳凰(ほうおう)

鳳凰は中国で古くから伝説の鳥とされており、平和と幸福のシンボルとされています。

空を舞う美しい姿は、とても優美でダイナミックな印象で、日本では飛鳥時代より着物の柄として好まれてきました。

・蝶

蝶はさなぎから成長して蝶となり飛び立つ様子から女性の成長を願うという意味を持ちます。ひらひらと飛ぶ様子から上品さのある華やかな印象となります。

〈まとめ〉流行に左右されない伝統ある格式高い華やかさのある古典柄

古典柄には縁起の良い柄や華やかさを演出する柄まで様々な柄があります。

ここで紹介した柄以外にも、縁起の良い柄や格式高い柄はいくつかありますが、古典柄は流行に左右されることがほとんどありません。

よってお母様が着用された振袖にも使用されている柄がたくさんあると思います。

 

一つ一つの柄の意味を知ることで、見た目で自分の好みの柄を選ぶのももちろん、柄に込められた意味も含めて振袖選びすることで、より一層自分に合った振袖が見つかるのではないでしょうか。

 

参考:木村孝(2010)『カラー版 文様図鑑』アシェット婦人画報社

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